ネタバレになるほどの詳細は書きたくないのでサラッと・・・。
こちら、2000年公開の作品なのですが、幾度もあった機会にず~っと観ずにきた作品の1つ。結構あるんですよね、機会はあったのになぜか避けるように観ていなかった作品。
序盤は頭を昔にスリップさせないといけないように感じながら没入できずに観ていました。昔はこんなこと考えずに楽しめていたような気がしますが、「え、通報しないの?あ~こんな雰囲気の町なら通報したところでのろのろ駆け付けた警官や保安官が加害者側の友人で、加害者側を擁護するのかもな~」とか考えてしまう。
海外ドラマでよく見かける、エンカウントしたくないタイプの「田舎の保安官」が居て、町中顔なじみとまではいかずとも噂は耳に入っているような雰囲気の田舎町が舞台。主人公は、旦那さんを亡くし3人の息子と暮らす女性で、自身の持つ「視える」ギフトでカードを読むことを生業として生活しています。
「ギフトを持つ」という表現が正しいのかはわかりませんが、例えば「授かる」「与えられる」と言った場合、意味が偏りすぎる気がするので「持つ」とします。
ミスリードなんかもしっかりあって、主人公の「視る瞬間」「視えたもの」の表現も面白く、現実と並行して、視えた映像が流れるような、リンクさせていく演出がなかなか美しくて恐怖を感じる要因の1つになりました。「ギフト」という大抵の人にとって近いはずで遠いものがテーマになっているからなのか、海外の作品にしては珍しい気もするジャパニーズホラーに近い、静かにじわじわ怖くなっていくような印象のある作品でした。
監督:サム・ライミ
当然ながら、町で起こった事件に主人公も関わってしまうのですが、視えた物を「不確かだから言わずにおく状況」と「不確かなのに明らかに早い段階で言ってしまう状況」や、主人公の立ち回り、他との距離感に疑問を感じたりする場面もありましたが、アンチが居たりギフトを証明できなかったり、ギフトという特性上の苦しみの描写もあり、全体的には良い作品だな~という感想です。
だって「見たい物が見える」わけではなく、私の解釈ですが「伝えたい事がある誰かの意識を視せられてしまう」だけで、代弁者として生きるかどうかという事だけが自身に委ねられる現実のような気もするので。弁護士のキャストが良かっただけに、証明できるか迫られる場面は涙が出そうなほどワナワナしました。
まさに少数精鋭といった雰囲気のキャスティングなのですが、大好きな俳優の1人、K・リーヴスが「初めて見た俳優」みたいに感じて、軸に関わる役どころなのに不思議な感覚。
最後まで大活躍のバディ役、ジョヴァンニ・リビシはハマり過ぎでした。全編通して別の意味で恐怖を感じさせられましたが最高。『FRIENDS』でフィービー・ブッフェの弟役として非常に良い演技で際立っていました。チャンドラーの元恋人、OMG女ジャニスに負けず劣らず、複数のエピソードで深くメインキャスト達に関わり続けた数少ないキャラクターでした。『カーラの結婚宣言』も、現代では議論が過熱しそうな内容ではあるけれど印象深い。とにかく、見かけるたびに強く印象に残る良い俳優だと思っています。
もう1人書いとこう、誠実な男は演じない印象だけれどそこも魅力のグレッグ・キニア。さすがでした。こういう役どころの安心感が凄い。ある意味裏切らずにいてくれて、未視聴作品を視聴中唯一の安心要素でした。
女性キャラクターに関しては書きませんでしたが、魅力的な俳優ばかり出演されています。物語の軸となるキャラクター自体はとても少ないので、気になる俳優を追って他の作品に繋げていくという楽しみ方はしやすいかもしれません。という事もあって映画をあまり見た事がない方にもおススメしやすい作品かと思います。
監督はサム・ライミ。某ホラーシリーズで有名ですが、『ギフト』の後にはシリーズを通して『スパイダーマン』の監督を務めていたり。『スパイダーマン』は、マーベル関連作品があまり好きではない私が、楽しんで観る事が出来たたった2作品のうちの1つなので、好きな作品はどこかがリンクしているのだろうなと、改めて感じたのでした。
冒頭でも書いた通り、機会はいくらでもあったのにず~っと観なかった経緯があるので、今回視聴出来た事が新たな1歩のようで満足感が凄い。観て良かった。
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