神室町の『ドン・キホーテ』に行列ができています。
ネオンが輝く時間に神室町に居るだけで少し違和感がある、最後尾の男の子が気になります。何か事件でも起こっているのかと勘違いした桐生は、やはり話しかけて確認。
少年によると、『アラクレ・クエスト Ⅲ~まずは取説から~』という入手困難な大人気ゲームの入荷情報を聞いて、貯めたお小遣いを握りしめて飛び出してきたそう。このゲームについて全く知らない桐生は、その為に行列までできていることに驚きますが、ぎりぎり最後の整理券を貰えたこの少年は大喜びです。 父親とゲーム店を回っても買えなかったそうで、こちらにも伝わってくる喜びよう。
時間をおき、再び『ドン・キホーテ』を通りかかると、少年の元から男が走り去るシーンに遭遇します。少年に声をかけてみると、やっと買えたゲームを、いきなりやってきた男に無理やり奪われたそうで、最後には泣き出してしまいます。
探し回ったり並んだり、貯めたお小遣いの事もあるけれど、単純に怖かったんじゃないかと思うと、まずは本人が無事で何より。それにしても・・・子供から盗みを働く男、赦すまじ。盗みというか、これは何というのか・・・相手が購入した物を奪い取っていますからね、しかも、明らかに自分よりも弱いであろう子供を相手に。
さて、アキオというこの少年は、ゲームを取り返してやる、という怒れる桐生の言葉で泣き止むと、もう泣かない事を約束します。
早速、男が走り去った方へ向かうと、アキオからゲームを奪った男が更に別の男にゲームを奪われ、アキオからゲームを奪った男からゲームを奪った男も更に別の男にゲームを奪われ、最後にはヤクザの手にゲームが渡るという・・・なんとも情けない自分勝手の連鎖が発生していました。 毎回いちいちバトル付きなのですが、悪い大人たちはみんな同じ考えだったようで、揃いも揃って「くっそ~俺のアラクレ」なんて言うものだから、桐生は説教まで見舞い続けました。
しかし、最後にゲームを手にしたヤクザだけは違っていました。バトル後、なんと頭を下げます。ヤクザの息子もこのゲームをとても欲しがっていて、何軒も巡った末の事だったそうです。事情は分かったけれど、やはりこのまま渡すわけにはいきません。このゲームを購入した元々の持ち主について、ヤクザに話して聞かせる桐生。
ヤクザには、チンピラからゲームを奪ったという認識しかありませんから、本当の持ち主が子供だと聞かされても、すぐにはピンときません。ゲームが自分の手元に来るまでの流れを順を追って説明され、やっと理解します。
元々は、小さな子供がお小遣いを貯め、探し回った末にやっと手に入れたゲームであることを知ると、自分の息子の為によその子供を泣かせるところだったことを深く反省するヤクザでした。ちゃんとゲームも返してくれます。 話の流れで、ヤクザの息子の名も『アキオ』であることがわかり、桐生がひっかかりを感じているところへ、ゲームの元々の持ち主であるアキオが追いついてきます。ゲームを取り返したことを告げると大喜びするアキオでしたが、やはりこのヤクザはアキオのパパ。
自分が泣かせたのが自分の息子だったことに気づき、バツが悪そうに、息子が自分でゲームを購入した事情を聞くヤクザでしたが、子供に気を遣わせていた事を知って更に反省することに。
桐生がパパの友人だと思っているアキオは、「ベッキョチューで寂しいだろうから仲良くしてあげて」と、桐生に微笑みかけます。すると桐生は、ゲームを取り戻すのをパパも手伝ってくれたと、アキオに話します。色々端折って見方を変えると間違ってもいませんが、アキオが大喜びしているので大団円。
お礼をして仲良く帰っていく親子の雰囲気が温かくて、優しい嘘はこうであって欲しいと感じたお話でした。
タイトル: 龍が如く0 誓いの場所
公式サイト:龍が如く0 誓いの場所 公式サイト
最終更新2025.11.5
