とっちらかんと

~迷子の寄り道~

【龍が如く0】心の内の『増女』と『般若』

1人だけ『翁面』をつけ鉄扇を使う敵『椿園』へ向かうタクシーの中から見えていた対岸の街の灯りの元へと降り立つと、佐川はんに黙って続く真島さんでした。キャバレーやキャバクラとは雰囲気が違っていて、なんとなく真島さんだけ浮いているみたい。

街のモデルは、飛田新地とかそのあたりでしょうか。詳しくは知らなくても、何かで見かけたことくらいはあるような雰囲気のお店が軒を連ねています。道行く男性に声をかけるのは手前に座っているやり手のおばちゃま。最初から揉み手というのが分かり易くてちょっと面白い。

最初から揉み手で客引きするおばちゃま実際の様子とは違うのかもしれませんが、客引きされる雰囲気を楽しめます。街全体がこのようなお店のようですが、しつこく付きまとうような客引きも居ないようだし、店先だけ見ると平和にも見えるのが不思議です。

『マコトのような女の子が泣いて歩いていても違和感がない場所』ということでしたが、お客さんにはそんな事情は見せないようにしますよね。

さて、ついに、通りの突き当りに構える『弁天屋』が映し出されます。佐川はんと簡単な言葉を交わすと、はやる気持ちを抑えきれない様子で歩を早める真島さんでした。

弁天屋を見つけると歩を早める真島さん『弁天屋』の中へ入ると、2人は分かれてマコトを探す事になるのですが、「誰であろうが見つけたら殺す」と言い切る佐川はん。こうなると、佐川はんより先にマコトを見つけないと、真島さんの目的は果たされません。

別れ際、真島さんが佐川はんにかけた、「せいぜい弾切れにならんようにな」という言葉が、世良さんにやられたばかりだというのに拳銃を過信していそうな、佐川はんへの皮肉にも聞こえます。

佐川はんと別れると、真島さんの前に能面達が現れます。彼らは、真島さんを生かしたまま事を収めたいという、世良さんの意向を伝える為に現れた日侠連組員達でした。これ、佐川はん側のルートはどうだったんだろう、ちょっと気になるところです。

世良さんの意向を伝えに参じた日侠連組員達金泥を施されているようにも見えませんから、組員たちの能面は『増女(ぞうおんな)』かと思うのですが、『般若』を背に彫っている真島さんと対峙する事で『増女 VS 般若』のようですよね。段階が違うだけで同じ者というのがまた、マコトを生かすという点では同じである、世良さんと真島さんを表しているようにも感じられます。
考えるまでもなく、世良さんの意向を突っぱねる真島さん。聞く耳を持つよう呼びかける能面達に、「マコト返すか俺に殴られるか決めんかい!!」と、引くという選択肢はありませんでした。

ここからバトルが始まると、マコトを捜して弁天屋の中を進んでゆくのですが、フロアごとに組員達とのバトルが発生します。建物の中は、様々な様式を取り入れた装飾で、極を使うと背景がなかなかに美しい。弁天屋の雰囲気を損なわない組員達の装いも素晴らしく、ちゃんとというか、着物の中まで和柄になっている細やかさを見られる、なかなか笑える瞬間もあったりします。

弁天屋の雰囲気を損なわない装いを見せる日侠連組員達バトル以外に、わかっていても驚くボタン選択もあるので油断できません。私の場合、助けられる状況が多いボタン選択ですが、忘れた頃に突然発生したりするので、気をつけないといけません。

『易しい』で進めているからか、敵の数はそこそこに、強敵は鉄扇のような武器を使う1人だけだった気がします。この敵だけは、『翁面(白色尉-はくしきじょう-という、特別な時にのみ上演される演目に使われる面)』をつけているし、他の組員達が同じ面と格好だった事を考えると、特別感が伝わってきます。

1人、翁面をつけているちょっと強い敵『翁面』については今回初めて調べたのですが、なかなか面白かった事自体が意外でした。お面は、同じものを模していても、色やら眉の形やら様々の要素で違いがあったりするようなので、ハマると大変なことになりそうな深みを感じました。

さて、どんどん階上へと進むと、全体が能か何かの舞台のようにも感じられる日本庭園然とした場所に辿り着きました。

タイトル: 龍が如く0 誓いの場所

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