急ぎマコトを迎えに走った錦でしたが、自身の最期を悟った立華は、新たに掴んだ情報を桐生に語り始めます。
「老鬼(ラオグゥェイ)を操っているのは 堂島宗平」
すべての糸を引いていたのは堂島であり、桐生に殺しの濡れ衣を着せた目的は『風間新太郎の排除』であることがわかりました。 要所要所の描写により、プレイヤーとしては「でしょうねぇ」というお話なのですが、そもそもが下っ端で情報にも疎かった桐生は簡単に受け入れられませんよね。ついには声を発する事もできなくなった立華を抱え起こしたまま、「なんでこんなことに」なんて言葉もでるわけです。そりゃそうだよね。
『マコトを守る』という、誓うような桐生の言葉に肯くようにして最期を迎える立華。見届けた桐生が絞り出した呟きは、やがて叫びに変わります。
その時、やっと身を起こし、独り言のように話し始める久瀬さん。
「俺ぁ・・・てめえのやるべきことを やったまでだ」
肩越しに久瀬さんを睨みつける桐生。桐生の気持ちは勿論わかるのですが、この時点では久瀬さんにも感情がのってしまっていて、個人的には悪く思えなくて苦しい。それに、久瀬さんの言う事も尤も過ぎてなんとも・・・。
東城会内部にいる、「カラの一坪」を近江連合に売ろうとしている裏切者の存在と、その手引によって近江連合が「カラの一坪」を手に入れた場合の最悪のシナリオを、言い聞かせるように桐生に語る久瀬さんでしたが、
「知ったことか」
涙を流しながら、弾かれたように答える桐生。久瀬さんは、「東城会全部を敵に回す気か」と、マコトを渡すよう桐生をなんとか宥めようとしますが、桐生は覚悟を決めてしまっていました。マコトに指一本でも触れたら1人残らず東城会をつぶす、と言い放ちます。
立華を抱え上げてその場を後にした桐生を見送ると、「とうとう化けやがった」と独り言ちるも、もうニヤリともしない久瀬さん。ここで久瀬さんが言った『本物の極道』というのは覚悟のお話なのかな。確実に変わる桐生の顔つきが印象的です。
実は、二代目代行の二井原さんも、桐生たちを見送りながら呟いていたんですよね、「あの男も化ける男なのかもしれねえなぁ」とかなんとか。作品内の事とはいえ、わかる人にはわかるんでしょうね、関わってしまえば。さて、場面は「カラの一坪」へ。
ビルの裏口から「カラの一坪」へと出てくる、立華を抱き上げた桐生。そこへ、錦がマコトを連れてやって来ます。正直なところ、若干違和感を感じた部分だったりするのですが、裏口からビルに入ろうとしていたということで良いのかな。
「お兄ちゃんは!?」
兄にやっと会えるはずだったのに、着いた先では物音ひとつ聞こえない状況。更なる不安が募っていそうですが、声を発し、兄を探して手を伸ばすと、一歩一歩、歩を進めるマコト。桐生と錦は、かける言葉も見つけられずに顔を背けます。この2人が原因とか悪いとかいうわけでもないけれど、やりきれないですよね・・・。
指先が何かを見つけると、驚いて立ち止まり、1度は手を引っ込めるマコト。改めて手を伸ばし、やっと辿り着いた兄の手に自身の手を重ねます。しかし、異常に気付かないわけもありません。
杖を放すと、両手で確かめるように立華の身体に触れていき、桐生が立華を地面に下ろす間も決して立華から手を離さないように、やがて自身も膝をつきます。
両手が立華の顔を包みこむと、やっと追いついてきた涙を流しながら、兄を抱きしめ、会話でもするように声をかけ始めるマコト。 他人事とは思えないと語っていた錦の表情も沈痛なもの。立ち尽くす錦との距離も手伝って、ごく狭いはずの「カラの一坪」がやたらと広く見えます。
「ただいま・・・お兄ちゃん」
再び言葉を交わせたはずの兄妹。再会の言葉はきっと届いていることを願いながら、第十四章『不滅の絆』終了です。
・・・「米田このやろう」と感じたのは私だけでしょうか。こんな事を言い始めるときりがありませんが、あの一撃が無ければ・・・と、どうしても思っちゃう。
タイトル: 龍が如く0 誓いの場所
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