とっちらかんと

~迷子の寄り道~

【Lost Odyssey】マックが繋ぐ『断ち切る勇気』Day43

クックとカイムが分担して『見送り』の準備を終えましたが、自分も何かしたいマックの行動をきっかけにして、会ったばかりの孫と祖父の距離が近づいたり、それぞれがリルムを想う気持ちで繋がっている事を確認するような、優しい時間でした。『見送り』自体は、海辺の街でこそ根差した美しい儀式という印象で、『FF X』の異界送りを思い出しました。召喚士が祈り舞う儀式は『召喚士頼み』のようにも感じられますが、そう思わせる描写を多く含む必要があったストーリーでした。対してこちらは、『親しいみんなで送る会』という色が強い。どちらも、残された人達の心を救う側面が強いのかな。 ゲームでなくても、文化や宗教による違いは興味深く感じますが、死後の世界に関する考え方の違いが大きく影響しそう。ここでは、『死者は海に帰る』という考えで、死者はこんなふうにゴンドラに横たわらせられ、白い花で飾りつけられます。船に横たわり、白い花で飾りつけられたリルムゴンドラには、残された人達と亡きリルムを繋ぐ象徴として、テープが幾重にもかけられています。テープの束はカイムが引き受けるのですが、死者が旅立てるようにこの繋がりを断ち切るのが、残された人達の最後の役目ということです。全体的にはこんな雰囲気。矢印の先にそれぞれテープが渡されています。リルムの葬儀の全体的な雰囲気これは、冠婚葬祭のセレモニーを重要とは思えない私にも分かり易い。作品の中では、現実では勝手に付きまとう『お付き合い』が削がれていて、参列者たちの心が故人を向いているように描かれているからかな。

1つだけ見える松明の炎を持っているのはマック。この炎は『断ち切る勇気』。マックによって移し灯される松明の炎で、参列者自身がリルムと自分達を繋ぐテープを断ち切っていきます。儀式に入る前に、繋がりが切れても絆が残るというメルビの言葉を確認するマック。断ち切る勇気の炎を担当するマック「リルムへの感謝と愛を胸に、目に見える繋がりを断ち切って絆を永遠のものに・・・」というメルビの説明もわかるし、健全な考え方のようにも感じるのですが、少し怖くもある儀式。こんなふうに人の死に関わる事って、あまりないからかな。

さて、参列者の持つ松明に炎を灯すには、マックを操作してミニゲームのようなものをクリアする必要があります。このまま葬儀を観るものかと思っていたので驚きましたが、楽しんで進めます。 マックの松明を、参列者ごとに違う松明の動きをなぞるように操作するのですが、この動きには『参列者の想い』『リルムへのはなむけの言葉』が託されているそうで、それぞれのボタンにも自然にまつわる意味が割り振られていました。松明に炎を灯す為のミニゲーム埋葬の文化とは違うものの、意味を込めた動作で表すものが起源なんだろうな~なんて思ったりしながら、それぞれの家という細かい単位ごとに作法があるという、古い歴史を持つヌマラとその設定自体に驚きます。

「動きを間違えると想いは届きません」なんて釘を刺す、メルビの突然の厳しさがちょっと笑えますが、参列者の動きを間違わずになぞってから参列者の松明に炎を灯すのがマックの役目。そこからは、ゴンドラを繋ぐテープを、受け取った勇気の炎で参列者自身が断ち切ります。参列者たちがテープを断ち切る流れそうして全てのテープが切れたら、ゴンドラに乗ったリルムは旅立つことができます。『親しいみんなで送る会』という印象通り、結構しっかりリルムとの思い出を語り、マックにも声をかける参列者たちでした。 最後に炎を受け取るのはクック。テープを切った後の松明はどうなるのかな~なんて思っていたら、クックで謎が解けました。最後に炎を受け取ったクック断ち切った想いをしっかり手放すように、海に投げ入れていたんですね。花束みたいにも見えます。瞳を閉じたクックの表情が印象的でした。マックも、リルムに視線を向けると、ぎゅっと目を瞑ってから最後のテープを断ち切るのですが、クックとマックの目を瞑った意味の違いのようなものを感じます。クックはなんとか受け入れられても、マックにはまだ難しそうだな~。ゴンドラで海へと帰っていくリルムを見送るさて、今年に入ってからかな、葬送儀礼の1つである『舟葬(しゅうそう)』をテーマとした、モンガータの旅人よという漫画を読んだのですが、どちらにも不思議と宗教色をあまり感じないのは、土地の生活様式から自然と発生したような印象があるからかな~。

タイトル:ロストオデッセイ

開発: ©ミストウォーカーフィールプラス

販売:©Microsoft

公式サイト:公式サイト公開終了

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